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肩こりはなぜ再発するのか。

いわゆる肩こり筋といわれるのは、僧帽筋の上部です。


以前のブログで、この僧帽筋が、頭や首のおかしなポジションや不安定さの影響で、より働き疲弊して痛みを出してしまうケースについてお話ししました。


僧帽筋はいわゆるアウターマッスルといわれる、強力な筋肉の一つです。
アウターマッスルは力強く動きますが、繊細な感覚を感じるのは苦手です。


筋肉の中にはセンサーが付いていて、筋肉の状態がどうなっているか、身体の位置がどこにあるのかを逐一脳に知らせます。(一説では0.5秒に一度、脳へフィードバックを送っているといわれています)


このセンサーは身体のいたるところにあって、筋肉の中では筋紡錘、腱の中ではゴルジ腱器官、関節では関節受容器と呼ばれます。これらは筋膜や靭帯の中にも存在していて、ひとくくりに「固有受容器」と呼ばれます。


アウターマッスルにはこの固有受容器が少ない傾向があり、インナーマッスルと呼ばれる、細かな動きを担う筋肉に多い傾向があります。


肩甲舌骨筋という一般的には聞きなれない筋肉があります。
喉にある舌骨という骨から肩甲骨の肩甲切痕という溝のすぐ脇に付く筋肉で、一般的には嚥下(飲み込む動作)や発声のサポートなどをしているといわれています。


肩甲舌骨筋は僧帽筋に隠れながら通過しているのですが、頭部の不安定の影響で肩甲舌骨筋のポジションが悪くなり、それを守るために僧帽筋が過緊張を起こしているケースがあります。


この時、肩甲舌骨筋は先ほど出てきた固有受容器の「バグ」のせいで上手く伸びることのできない状態になっていることが多く、姿勢の改善を行っても僧帽筋を揉み解しても、肩甲舌骨筋をリリースしなければすぐに元に戻ってしまいます。


肩甲舌骨筋は厚く緊張した僧帽筋の深部にあるので、マッサージが届きづらいだけでなく、そもそも機能不全の原因が筋疲労ではないので無理やり揉んでも悪化させる可能性があります。


このケースの時、長テコを上手く使って固有受容器へアプローチする、S&CSというオステオパシーのテクニックが効果的です。ちなみにS&CSは神経系に働きかけるのでとてもリラックスできて気持ち良いタイプのものです。


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≪S&CSを日本で受けられることはまれだと思います。私はS&CSを開発したジョーンズ医師のご子息のゲーリング医師から理論と手技を直接学んでいます〇≫