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骨内ストレインの臨床談。

骨内ストレインは、最近のケースですと、


「数年前に転んで手をついてしまい、それからずっと痛みと違和感が取れない」という方の橈骨(腕の骨)へのアプローチで、かなり状態が回復したケースがありました。


この場合ダイレクトに腕の捻じれがあって、触診をして検査をすると橈骨自体の骨の捻じれがありました。施術をしている時に「まっすぐになっていっている感じがする」と仰っていたので、長らく脳が捻じれを感じていたのだろうなと思いました。


また、寛骨の骨内ストレインがあった方もいました。
この方は昔に大腿骨の頸部骨折の既往をお持ちの方で、股関節の屈曲時に外へ流れてしまう動きがありました。


最初は既往のある大腿骨の頸部の捻じれへテストしたのですがそれほど改善が見られず、寛骨側のへのアプローチで股関節の動きがだいぶ改善されました。


寛骨は発生学的に腸骨・坐骨・恥骨の軟骨結合から成ります。既往から踏まえると坐骨・恥骨側に骨内ストレインがあるのかと思いましたが、捻じれていたのは腸骨部でした。


仮説としては大腿骨の頸部骨折の影響で関節臼への骨内ストレインだったのですが、実際は大腿骨の頸部骨折はあまり関係なく、腸骨エリアに骨内ストレインがあったのか、大腿骨の頸部骨折時に腸骨が受けたダメージがそのまま残存していたのかもしれません。


何年何十年前のダメージが、残存すること自体は珍しいことではなく、臨床的に結合組織(骨や靭帯や筋膜など)に残りやすいように思います。


ブログ画像≪寛骨自体の歪みがあっても腰の左右差は生まれます。この場合は機序的に、一般的な施術ではなかなか取れないように思います。≫