いわゆる四十肩や五十肩といわれるものがあります。
四十肩などは聞き慣れた言葉だと思いますが、病態的には肩関節周囲炎などと呼ばれます。
この四十肩、もとい肩関節周囲炎ですが、原因は未だにはっきり分かっておらず諸説あるようです。つまり四十肩とひとくちにいって様々なパターンがあると考えられます。
この関節周囲炎の代表的なパターンは、
・肩にあるインナーマッスルの機能障害
・筋や靭帯の石灰化や線維化
・関節の損傷や腱断裂の損傷による炎症
・不動による癒着
・リウマチ
・交感神経機能障害
などが挙げられるでしょう。
これはいわゆる一般的なアロパシー = 西洋医学の考え方です。
ここにオステオパシー医学的な考え方を加えると、例えば胸椎の椎間関節の機能障害や、胸椎や肋骨の関節や、鎖骨の機能障害、また腰椎や骨盤、足の裏を疑う場合もあります。
これらは動きの連鎖性や筋膜の連続性などから考えられるのですが、一般的な医療の現場ではなかなかそこまでは見られない事柄でもあります。
また複数の場所に付く筋肉、例えば広背筋という筋肉は「寛骨・仙骨・胸腰筋膜・腰椎・肩甲骨・上腕骨」に付着します。(平たくいうと、腰から腕にくっつきます)
つまり、肩の機能障害に広背筋が関与している場合、それこそ「腰を触って肩が改善する」ということが起こることもあります。
もちろん肩も、単純に何かが引っかかって痛みを出しているだけなら、その引っかかりを取り除けば肩自体の自然治癒のスイッチが入り改善に向かっていくでしょう。
ただ、肩はダイナミックな可動性と動きの自由度が多い関節なので、関連する筋や関節が多く生じます。ですので、痛みを出しているポイント以外をみることも多くあります。
ちなみに、今回は広背筋について書きましたが、最近の臨床では肋骨の動きの悪さから四十肩を起こしているパターンが多くありました。肋骨も肩の機能に重要な役割を持ちます。
先日もブログに書きましたが、もしかしたらマスクや昨今の時節的な息苦しさが、呼吸や胸郭の動きを悪くして、肩の痛みを引き出しやすくしているのかもしれません。
ピンと来た方はオステオパシーの施術や、呼吸でのコンディショニングがオススメですよ。
≪痛みという現象自体は実はかなり深いものですので、痛み自体を考える場合もあります。≫